飢えない価値観

不透明な社会の中で「飢えない生き方」を模索する雑記ブログ

飢えとヒエラルキー②

前回は飢えがヒエラルキーを生み出すということをお話しさせていただきました。

ヒエラルキー構造は支配者層・維持層・マス層の三層に分かれます。

時代や国、文化などで、さらに細分化されたりしますが基本構造は変わらないように思います。

今日はいくつかの実例を挙げてみたいと思います。

 

 

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様々なヒエラルキー

 

 

カースト制度

 

ヒエラルキー構造のなかで最も広く知られているものが、このカースト制度だと思います。(図2)

ヒンドゥー教身分制度でありインドではヴァルナと呼ばれています。

紀元前1500年頃から形成され現在もインドで根強く残っているヒエラルキー構造です。

 

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ヒンドゥー教ヒエラルキーなので支配者層は僧侶であるバラモンになります。

その下に維持層である武士階級のクシャトリア

マス層に平民であるヴァイシャ、奴隷階級のスードラときます。

このカースト制度に疑問をもち、そのヒエラルキーから抜け出た人の中に、ゴータマ・シッタールタ、お釈迦様がいます。

シャカ族の王子であるゴータマは、このヒエラルキーの維持層であるクシャトリアに属していました。王族ですから維持層のなかでもかなり上位にいたと思われます。

しかしゴータマはこのヒエラルキーから抜け出し(出家し)、その後悟りを開き仏陀ブッダ:悟りを開いた者)となります。

この話はいずれより詳しくしたいと考えています。

 

 

フランス封建社会身分制度

 

1789年にフランス革命が勃発します。

次はその当時のヒエラルキー構造です。

フランス革命は第三身分と呼ばれるパリ市民がブルボン王朝に対して起こしたものです

しかし、ヒエラルキー構造を変えたほどの革命かどうかは怪しいものがあります。

まずは図3を見てください。

 

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1%に満たない支配層である聖職者に、約10%と言われている王侯貴族の維持層

マス層である第三身分の平民。

このマス層である平民階級が維持層に対して起こしたものがフランス革命になります。

 

当時のブルボン王家の王であるルイ16世は、先代、先々代(ルイ14世・ルイ15世)が残した莫大な借金に加え、イギリスからのアメリカ独立に対しての支援に膨大な国家予算を使ってしまったため、財政難に陥ります。

このことを当時のメディアが散々煽り、真実か怪しいゴシップ記事を垂れ流した結果、パリ市民が武装蜂起し、バスティーユ牢獄を襲撃したことが革命の始まりになります。

この知らせを受け避難しようとしたルイ16世は、パリ市民に捕まり拘留され、ギロチンで処刑されてしまいます。

 

このフランス革命ですが、ヒエラルキー構造を変革するほどのものであったかは怪しいと私は考えています。

まず、パリ市民という存在、彼らは実際の被搾取層であったか怪しいのです。

パリ市民とはむしろ維持層に位置していたのではないかというのが私の意見です。

フランスは昔から農業国家であり9割いるマス層のほとんどは農民です。

ジャガイモの生産を奨励するなどの政策をしていたルイ16世は、実はこの大多数の農民から人気が高かったという話があります。

この一般的な農民と、パリの街中に暮らすパリ市民は、極端な例ですが、今でいう地方農村で農業に携わっている人と港区のマンションに暮らす人ぐらいかけ離れた環境にいたはずです。

実際、農民の多くは主体的に革命に関与していませんし、それどころか革命後の混乱期の被害者であるとすら言っていいと思います。

調べてみると、ルイ16世は名君といって差支えがないと思います。

ルイ16世は人格者であり、拷問を廃止する法律を定めたり、三部会という聖職者・貴族・裕福な市民の会議を招集したりと、維持層内も含めた改革を推し進めようとしました。

財政難を改善するための改革を行った際、最も困るのはそれまでヒエラルキー構造の恩恵を受けていた維持層の人々です。

同じ維持層であるその他の王侯貴族は、ルイ16世とその王妃であるマリーアントワネットのゴシップ垂れ流しの犯人であり、革命勃発時真っ先に逃亡した人達でもあります。

彼らは革命の共犯者といっても過言ではありません。

パリ市民と王侯貴族という維持層が、改革を推し進めようとしたルイ16世に危機感を感じ、保身のために民衆を誘導し、民衆のルサンチマンに火をつけたのがフランス革命であったと私は思うのです。

しかし、維持層が維持できる許容を超えてしまったため、ナポレオンが登場するまで混乱に収拾がつかなくなりましたが。

もし、腐った集団のトップに、優しい人格者が就任した場合、生き残るのはどちらでしょう。

もちろん蟲毒よろしく毒性の強いものです。

フランス革命とは、あくまで同じヒエラルキーである維持層内の権力闘争であったと思います。

 

実際、この革命で支配層である聖職者は交代していません。

農民は相変わらず貧しい農民のままでした。むしろ被害にあいました。

 

まとめると、国家のヒエラルキー構造を変革するには、宗教革命レベルのものがなければ、革命や混乱もただの交代劇に過ぎないということです。

ちなみに、明治維新には宗教革命の要素がありました。このこともまた、別の機会に書きたいと考えています。

 

 

現代社会の社会構造

 

さて、最後は現代の日本のヒエラルキー構造についてです。

議会制民主主義や国民主権など、憲法や法律では規定されていますが、実際はこれまで同様、ピラミッド型の構造になっていると思います。

ただ、一見するとわかりづらく隠されていると思います。

勿論マス層を洗脳・誘導しやすくするためでしょう。

 

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この構造はあくまで私個人の考えなので別の意見の方もおられるとは思います。

 

支配層は金融資本家でしょう。国籍は不明です。

アメリカでは1%と99%運動というデモ運動がウォール街で起きましたが、彼らはこの1%とみて間違いないと思います。

アメリカの上位1%が99%と同じだけの富を所有しているから1%と99%運動です。

ディープステートと呼ぶ人もいます。

「各国の通貨発行権の秘密に関与している人達」と定義してもいいと思います。

彼らの正体は本当にうまく隠されていると思います。

例えば、日本銀行の株主、アメリ連邦準備制度FRBアメリカの中央銀行)の株主は公開されていません。

このことについてもいずれまとめてみたいです。

 

維持層は政治家・官僚・マスメディアです。

この層を支配層、諸悪の根源と見誤ってはいけないと私は思います。

なぜなら、彼らは維持層ですから、代わりが効くからです。

もし、失策をやらかしても辞職で、別の誰かがまた維持にいそしむだけです。

この層の人たちも支配層の秘密は知らない可能性が高いです。

 

最後がマス層です。特に私が説明するまでも無いと思います。

このマス層と、維持層、支配層の経済格差は今後ますます拡がっていくと思います。

 

 

まとめ

 

様々な国、時代においてもこのヒエラルキー構造は共通していると思います。

人間の歴史はこの構造の構築、崩壊、再構築の歴史のように私には見えます。

そしてこの構造は飢えが元になっており、大多数が飢え続けることで維持されています。

このヒエラルキー構造はもっと身近なところにも当てはまります。

例えば会社なら

支配層は筆頭株主

維持層が社長・役員

マス層がその他社員

といった具合です。

今後当ブログでは、さらにこのヒエラルキー構造について考察を深めていきたいと考えています。

支配者層はどのように支配者層になるのか

支配層はどのように下層をコントロールするのか

ヒエラルキー構造はどのように崩壊するのか

といったことについてです。

 

本日もありがとうございました。